専門家(士業)コラム

ビジネスサミットOnline » 専門家(士業)コラム » <コロナ禍の労務管理>保育園の登園自粛要請を受けて出社できない従業員に対する企業対応

労務
<コロナ禍の労務管理>保育園の登園自粛要請を受けて出社できない従業員に対する企業対応

2022-03-03

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
登園自粛要請等に伴う欠勤は、原則「ノーワーク・ノーペイ」
コロナ禍においては、保育園等の登園自粛要請に従う、もしくは登園自粛を要請されていないが保護者が自主的に登園させたくない等の理由から、保護者である労働者が子どもの世話をするために休暇取得を希望するケースがあります。こうした休業は、いずれも休業手当を支給すべき「使用者の責に帰すべき事由」による休業には該当しません。よって、原則として欠勤扱い、もしくは年次有給休暇の取得による対応で問題ないということになります。
もっとも、労働者に対する賃金保障、企業の事業継続に鑑みれば、安易に休暇扱いとするのではなく、労働者に対して出社を要しないテレワークでの業務遂行を打診することもできます。ただしこの場合、子どもが在宅している環境での就労が可能かどうか、どのような業務であれば対応可能か等、労使間で十分に話し合っておくことが肝心です。


登園自粛要請に伴う休暇取得は、「小学校休業等対応助成金」の対象に
前述の通り、登園自粛要請等により休暇を取得する従業員に対し、企業が休業手当を支払う必要はありません。ただし、会社が独自に賃金相当額や休業手当相当額を支給することは可能です。「小学校休業等対応助成金」は、自治体や保育園による登園自粛要請を受けての休暇取得も幅広く対象としており、助成金活用を主軸とした対応を前向きに考えることができます。
ところが、同助成金は「要請は出ていないがあくまで自主的に登園を自粛したい場合」もしくは「自治体から要請は出ているが保育園自体は通常通り開園している場合」は対象外となる等、登園自粛に伴う子どもの世話のために休暇取得を希望するすべての従業員に対応できるとは限りません。助成金活用に際しては、十分な事前確認が必要です。
参考:厚生労働省「小学校休業等対応助成金Q&A


育休取得中の労働者が登園自粛要請に従う場合、育休延長が可能に
現状、育休中の従業員で、保育所に子どもを入所させて復職する予定だった従業員が、保育園の登園自粛要請に従う場合、原則として育休の延長が可能となります。事業主は、労働者からの申出を拒むことはできません。
関連:ハローワーク新宿「育児休業給付金を受給中のみなさまへ(登園自粛要請関係)

登園自粛要請を受けておらず、あくまで自主的に登園させないことにより育休延長を希望する場合、当初子どもが1歳未満時点で復職予定だった方であれば、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更の申し出が可能です(ただし最長1歳まで、パパママ育休プラスの場合は1歳2ヵ月まで)。ところが、1歳6ヵ月または2歳までの育休延長に関しては、申し出ることができないとされています。これは、コロナ禍であっても保育園が開園して保育が実施されている以上、「保育園の利用を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われない場合」の要件に該当しないためです。
参考:厚生労働省「新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け) 8.その他 問8,9


まとめ
コロナ禍において、従業員からの相談対応に頭を悩ませていませんか?今号のテーマは「子育て中の従業員の休暇取得」でしたが、この他にも日々、様々な労務相談が寄せられていることでしょう。職場における「こんな時はどうする?」は、労務管理の専門家である社会保険労務士にご相談ください。御社の頼れる相談窓口として、適切な対応策をお知らせいたします!

   HM人事労務コンサルティング
 丸山 博美 (社会保険労務士)












専門家へのご相談はこちら