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労務
どうなる?2020年度最低賃金 コロナ禍で据え置き、引き上げが分かれそうです

2020-08-27

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2020年度最低賃金引き上げの可否は、都道府県ごとに判断が分かれる模様
都道府県ごとに設定される地域別最低賃金については、全国加重平均1,000円の達成を目標に、全国的に毎年のように引き上げ改定が行われてきました。ところが、今般の新型コロナウイルス感染拡大を受け、2020年度に限っては例外的に「引き上げ無し」の判断を下す都道府県が出てくる見込みです。
 
ちなみに、国としては中央最低賃金審議会において「現下の経済・雇用への影響等を踏まえ、引上げ額の目安を示すことは困難であり、現行水準を維持することが適当」とする旨の答申が取りまとめられました。
 
その上で、各都道府県に向けては「地域の経済・雇用の実態を見極め、地域間格差の縮小を求める意見も勘案しつつ、適切に判断する」ことを求めています。
 
参考:厚生労働省「令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について」


最低賃金据え置きは東京都など一部の都道府県のみ
2020年10月1日以降、順次適用となる各都道府県の最低賃金については、各都道府県の労働局ホームページや報道等でその見解が示されています。例えば、新型コロナウイルスや豪雨災害で経営者の多くが大打撃を負った熊本県では、使用者側から「据え置き」を求める声が多く上がるも、最終的には「コロナの甚大な影響と、災害復興の手当や他県に比べ好調な有効求人倍率も考慮した額」として3円増となる見込みです。
 
コロナ禍で全国的に最低賃金の据え置きが見込まれた2020年度ですが、いざふたを開けてみれば、ご紹介した熊本県のように「引き上げ」を判断する都道府県が大半のようです。
一方で、中央最低賃金審議会の見解の通り、現行水準を維持するとした都道府県は、東京(1,013円)、静岡(885円)、京都(909円)にとどまりそうです。(2020年8月7日時点)


改定見込を把握し、最低賃金改定に伴う賃金額確認を
現在示されている都道府県ごとの地域別最低賃金については、正式決定ではありませんが、各事業所においてはいち早くその動向を確認し、今秋以降の賃金を検討しておく必要があります。
まずは正しく時間給に換算すること、そして基本給だけでなく、固定残業代についても最低賃金を下回ることになっていないかを確認しましょう。
 
厚生労働省では、ホームページにて最低賃金以上かどうかを確認する方法を解説していますので、参考にしてみてください。
 
参考:厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」


まとめ
多くの都道府県で最低賃金引き上げの見込みが示され、使用者であればコロナ禍の雇用維持と共に、賃金改定についても検討していくことになりそうです。企業経営の観点からは厳しい状況が続きますが、新型コロナウイルス感染拡大の中でも尽力する従業員の存在に目を向け、ぜひ前向きに考えてまいりましょう!

 HM人事労務コンサルティング
 丸山 博美 (社会保険労務士)














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