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労務
2020年2月14日新設「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用コース)」

丸山 博美 (HM人事労務コンサルティング) 2020-03-05

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「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用コース)」の目的とは?
就職氷河期とは、バブル崩壊やアジア通貨危機による新卒採用抑制の影響を受けた、1990年代半ばから2000年代前半にかけての時期を指します。労働者の中には、この就職氷河期に就職の機会を逸したために、正社員経験がない又は少なく、キャリア形成の機会がなかったこと等から未だ正社員就職が長続きしない方や非正規雇用を繰り返す方が一定数存在します。
「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用コース)」は、厳しい雇用環境下にある就職氷河期世代の雇用促進・安定を図る目的で新設されました。

ざっくり確認!「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用コース)」の概要
「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用コース)」は、一定の要件を満たす就職氷河期世代を正規雇用労働者(※)として雇い入れた事業主に対して支給されるものです。従来の「特定求職者雇用開発助成金(安定雇用実現コース)」の要件を拡充する形で、新たに設けられた助成金です。

※正規雇用労働者とは、以下の①から③のいずれにも該当する方とします(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である短時間労働者は除きます)。また、正規雇用労働者について就業規則などにおいて定められていることが必要です。

期間の定めのない労働契約を締結している労働者であること

所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の所定労働時間(週30時間以上)と同じ労働者であること

同一の事業主に雇用される通常の労働者に適用される就業規則などに規定する賃金の算定方法および支給形態、賞与、退職金、休日、定期的な昇給や昇格の労働条件について長期雇用を前提とした待遇が適用されている労働者であること


支給対象となる労働者の要件

支給額


出典:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)を新設します!」

併せて、事業主要件として下記のすべてを満たす必要があります。

雇用保険の適用事業主であること

対象労働者をハローワークなどの紹介によって正規雇用労働者として、かつ雇用保険の一般被保険者(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である短時間労働者を除く。)として雇用することが確実であると認められること

対象労働者の雇入れ日の前後6ヵ月間(以下「基準期間」という。)に、事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む。)をしていないこと

基準期間に、倒産や解雇など特定受給資格者となる離職理由で離職した被保険者数が、対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%を超えていないこと(特定受給資格者となる離職者が3人以下の場合を除く。)

対象労働者の出勤状況や賃金の支払い状況などを明らかにする書類を整備・保管していること(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿など)

また、雇用関係助成金の支給申請に際してはもちろん、労働関係法令に則した労務管理がなされていることが大前提となります。

政府による3年間の集中支援「就職氷河期世代支援プログラム」を知る
今号でご紹介した「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)」は、2019年年6月に「経済財政運営と改革の基本方針 2019」においてとりまとめた「就職氷河期世代支援プログラム」に盛り込まれている施策のひとつです。

この支援プログラムには、助成金新設の他、「就職氷河期世代支援の推進に向けた全国・都道府県・市町村プラットフォームの開催」や「業界団体等による短期間での資格取得・正社員就職の支援」「採用選考を兼ねた「社会人インターンシップ」の実施の推進」等が打ち出されています。

参考:内閣官房「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」

まとめ
就職氷河期世代の支援が、政府主導で進められつつあります。少子高齢化の影響からシニア人材の活用に目が向けられがちですが、本来であれば働き盛り真っ只中でありながらも力を発揮できずにいる就職氷河期世代への支援もまた、重要であると感じます。
企業においては、ぜひ助成金活用を視野に入れながら、効果的な人材活用に目を向けていきましょう。

 



 

 HM人事労務コンサルティング

 丸山 博美 (社会保険労務士)