専門家(士業)コラム

ビジネスサミットOnline » 専門家(士業)コラム » 働き方改革で注目を集める「経営労務監査」とは?2020年4月より始まる「社労士診断認定制度」も要チェック

労務
働き方改革で注目を集める「経営労務監査」とは?2020年4月より始まる「社労士診断認定制度」も要チェック

丸山 博美 (HM人事労務コンサルティング)

2020-02-06

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人手不足時代にますます重要視される「経営労務監査」とは?

「ヒト・モノ・カネ」は企業における経営資源の3大要素として有名ですが、少子高齢化による働き手不足が深刻化の一途をたどる今日において、「ヒト」の重要性はより一層高まりつつあります。2019年4月以降、いよいよ本格的に動きだした政府主導の働き方改革を皮切りに、従来型の働き方が大幅に見直され、日本企業の労働環境は今まさに大きく変わる転換期の真っ只中。
現場における対応が求められることは、いうまでもありません。

企業は、経営労務監査を通じて労務管理の観点から経営の現状を考察することにより、既存の労務管理体制や人材マネジメント施策における課題の抽出、改善策の検討・実践につなげることが可能となります。

経営労務監査は、主に

労務コンプライアンス監査(労働社会保険諸法令の遵守状況や既存の社内ルールの妥当性の確認)
人材ポートフォリオ監査(人的資本の活用度合、企業労働力に関わる評価)
従業員の意識調査(従業員の主観的な雇用満足度の確認)

で構成されます。

「経営労務監査」は、労務管理上の問題を抱える現場にこそ必要

さて、経営労務監査というと、巷では「上場準備の一環」「大企業が行うもの」等と考えられるケースも少なくありません。
しかしながら、個人的には企業規模を問わずすべての企業で、とりわけ労務管理に漠然とした不安要素を抱える現場においては特に、取り組んでおくべき施策であると感じます。労務管理上、最も危険なのは「何が問題なのか、どう整えていけば良いかが分からない」状態です。

分からないから(もしくは分かりたくないから)そのままにしてしまう、そのままにしているから問題はさらに深刻化していく…という悪循環は、百害あって一利なし。
積み重なった労務リスクは必ずいつか大きなトラブルへと発展し、最悪のケースでは企業の存続を脅かす要因となることもあります。

「経営労務監査」は、大企業や上場準備中の企業だけが行うべき取り組みではありません。労務管理が万全ではない現場にこそ、必要なのです。

2020年4月から始まる「社労士診断認証制度」に注目

「経営労務監査」が重要とはいえ、いざ依頼しようと考えてもどこに相談したらよいのか、判断に迷われるケースもあるでしょう。
この点、2020年4月より全国社会保険労務士会連合会が開始する「社労士診断認証制度」の活用がお勧めです。

社労士診断認証制度」とは、労働社会保険諸法令の遵守や職場環境の改善に積極的に取り組み、企業経営の健全化を進める企業を社労士が診断・認証する事業のこと。
取り組みに応じた3段階の認証が設けられ、認証企業は連合会が運営する「経営労務診断のひろば」サイト(2020年4月正式スタート)
に掲載されると共に、認証マークの活用によって職場環境改善への取り組み姿勢を広く社内外へ広報・周知することができるようになります。

「社労士診断認証制度」の詳細は下記よりご確認いただけます。

 


参考:全国社会保険労務士会連合会「経営労務診断のひろば」


まとめ
働き方改革関連法の施行から一年を迎え、2020年度からはいよいよすべての企業で「時間外労働の上限規制」への対応が始まる等、各施策について順次、中小企業の猶予措置が適用されなくなります。いずれの企業においても、労務管理体制の総合的なチェックに目を向けてまいりましょう!​


 

 HM人事労務コンサルティング

 丸山 博美 (社会保険労務士)