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労務
医師の働き方改革 2024年度より導入される時間外労働の上限規制の概要

丸山 博美 (HM人事労務コンサルティング) 2019-07-25

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医師の時間外労働時間上限は原則「年960時間」、一部「年1860時間」の特例を適用

2024年4月より始まる医師の時間外労働上限として
① 年960時間、月100時間まで
② 年1860時間、月100時間まで

の2つの基準が設けられる見込です。



②の特例が適用されるケースは、
地域医療確保の暫定特例水準(B水準) ※特例適用は2035年度末まで

◎3次救急医療機関
◎2次救急医療機関のうち、
・年間救急車受入台数1000台以上または年間の夜間・休日・時間外入院件数500件以上かつ、
・医療計画で5疾病5事業確保のために必要と位置付けられた医療機関

◎在宅医療において特に積極的な役割を担う医療機関
など、地域医療確保のための必要な医療機関のうち、「労働時間短縮に十分に取り組んでいる」「労働法令違反がない」などと認められる医療機関に限定 

集中的技能向上水準(C水準)

初期臨床研修医・新専門医制度の専攻医や高度技能獲得を目指す医師
とされており、極めて限定的な取り扱いとされます。

時間外労働の上限規制適用後、医師の働き方のイメージ

医師の働き方改革に関する検討会では、医師への時間外労働上限規制の適用後のイメージを公開しています。


現状、病院の約3割、大学病院の約9割、救急機能を有する病院の約3割(救命救急センター機能を有する病 院に限っては約8割)が、年間1860時間超の勤務をこなす医師を抱えているとのこと。中には年間3,000時間近い時間外労働をこなす医師もいる中、現場では2024年4月までに早急な対応を迫られることになります。

時間外労働の上限規制に向け、厚労省が医師の勤務実態調査へ

医師への時間外労働上限規制の本格導入を前に、厚生労働省は2019年9月2日から1週間、医師の勤務実態調査を行う予定です。具体的には、病院や診療所など計約1万9000施設に調査票を配布し、調査結果は改正法に反映されます。

今後、医師が時間外労働の上限規制に対応するために必要な考え方・取り組みについて、政府は概ね上記の考え方・取り組み項目を掲げています。医業という性質上、労働時間短縮への対応には一般企業以上の難しさがありますから、現場における混乱が予想されます。今後は、医師の働き方改革実現に向け、政府が主導となって、より一層の支援が講じられる見込みです。
本文すべての出典:厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会 報告書」

まとめ

御社の長時間労働の是正は進んでいるでしょうか?「何から始めて良いか分からない」という場合には、労務管理の専門家である社会保険労務士のご活用が便利です!現状把握から御社にマッチする施策の検討・実施まで、効率良く働き方改革を進めてまいりましょう。


 
 HM人事労務コンサルティング
 丸山 博美 (社会保険労務士)