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新「36協定」への対応は万全ですか? 2019年4月を目前に確認すべき中小企業の実務対応

新「36協定」

丸山 博美 (HM人事労務コンサルティング) 2019-02-14

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中小企業の36協定は「2020年4月以後の期間のみを定めたもの」から新様式で届出
 
新様式での36協定届出は、大企業であれば「2019年4月以後の期間のみを定めたもの」から、そして中小企業であれば「2020年4月以後の期間のみを定めたもの」からとなります。
 
「2019年4月になったら締結し直さなくてはいけないの?」とのご相談を受けることがありますが、改正労働基準法施行のタイミングですぐに締結・届出のし直しをしなければならないかと言えば、そうではありません。
また、大企業と中小企業とでは「時間外労働の上限規制」の適用時期にズレがあることから、36協定の新様式を用いる時期にも差が生じます。 ただし、新様式の内容で協定締結が可能な場合には、前倒しで新様式を用いた届け出をしても良いことになっています。
 







※中小企業の定義(企業単位)








36協定の新様式は全7種類!!御社に合った様式で届け出ましょう
 
新36協定について、まず注意すべきは「適切な様式を用いること」です。様式の種類は下記の通り、全7種類あります。それぞれの用途の違いを見ると、一般企業でおさえるべきは「一般条項」のみ(様式第9号)か「特別条項付」(様式第9号の2)かであり、さほど混乱を招くものではありませんが、それぞれの様式の違いを理解しておくと安心です。













※適用猶予対象の事業・業務

















36協定新様式対応でおさえるべき5つのポイント
 
新様式の36協定を用いる際には、時間外労働の上限規制に対応するために下記5つのポイントに留意する必要があります。
 
「1日」「1ヵ月」「1年」について、時間外労働の限度を定める
時間外労働の上限規制の導入に伴い、特別条項付36協定を締結した場合にも時間外労働を下記の枠内におさめなければならなくなりました。
 
■ 時間外労働が年720時間以内
■ 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
■ 時間外労働と休日労働の合計について、「2ヵ月平均」「3ヵ月平均」「4ヵ月平均」「5ヵ月平均」 「6ヵ月平均」が全て1月当たり80時間以内
■ 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6ヵ月が限度
これを遵守するために、「1日」「1ヵ月」「1年」についての限度時間を定めることになりました。
 
協定期間の「起算日」を定める
「1年」の上限について正しく算定するために「起算日」を明記します。
 
時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6か月平均80時間以内にする
「1日」「1ヵ月」「1年」の時間外労働の上限時間内であっても、実際の時間外労働と休日労働の合計が、月100時間以上または2~6ヵ月平均80時間超となった場合には違法となります。
 
36協定届の新様式では、この点について労使で合意したことを確認するためのチェックボックスが設けられ、ここに必ずチェックを入れなくてはなりません。
 
限度時間を超えて労働させることができるのは、「臨時的な特別の事情がある場合」のみ
新36協定の記載上、「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」では認められず、具体的な事由を明らかにすることが求められます。
 
限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保
限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保するための措置を定めておく必要があります。
 
 
まとめ
2019年4月の改正労基法施行に伴い、実務上、様々なことが変わります。一つひとつについて「いつから」「どのように」を正しくおさえ、スケジュール管理に努めてまいりましょう。働き方改革対応にご不安な場合は、SHARES公認の社会保険労務士までご相談いただければと思います。
 丸山 博美 (社会保険労務士)