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税務・財務
経営者必見! 会社経営に大事な資金繰りの考え方

資金繰り(キャッシュフロー)について考える

中川 保弘 (トライデント会計事務所) 2018-04-11

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損益計算書(PL)をしっかり見よう

損益計算書は見たことありますか?売上とか経費とか利益とか書いてあるあれです。損益計算書とは別名:PL(Profit and Loss statement)と呼ばれ、会社の損失と利益を見て、黒字や赤字を判断します。

会社の損益は、税金計算のもとにもなりますし、何より金融機関からお金を借りる際には非常に重要な判断基準になってきます。最初はとっつきにくいと思う方もいらっしゃるかと思いますがサポートいたしますので、経営者の方は定期的にしっかり見る習慣をつけましょう。

黒字でもお金が足りない!?

さて、突然ですがここでいくつか問題です。

Q1.黒字だと会社にお金は余るでしょうか?
答えはザックリ「YES」です。
ただし、銀行の借入金やローン返済があると話が変わってきます。

Q2.銀行から借入金を借りた場合、そのお金は収入として売上計上してよいか?
答えは「NO」です。
借入金の入金は売上でも雑収入でもないので、損益計算書には反映してはいけません。そして…借入金には返済がありますよね。

Q3.借入金の返済は経費になりますか?
答えは「NO」です。
借りたお金(借入金)の返済元本は経費にならないので、損益計算書には反映しません。
※ただし、返済額のうち利息分は経費になります。

上記から、基本的には黒字の場合、お金は余りますが、その余ったお金で借入金の返済が必要になるということです。

■具体的な考え方としては
A 当期(当月)の損益
B 返済予定表にある返済元本やローン額、損益に反映していない出費

A-Bがマイナスだとお金が足りないので、蓄えていたお金を支払にあてなければなりません。蓄えていたものがなけれ、支払ができないということになります。

不適切な節税は逆にリスクも!利益を出す事の重要性

当然ながら、AとBを比較してAの方が大きくなければ支払はできません。 つまりお金を借りるということは、利益を出す前提でなければ絶対に返せません。
節税はいいのですが、税金を減らしたいと思ったら皆さんどういう行動を取りますか? 多くの方は「経費などでお金を使って黒字を減らす」方向にもっていきます。

するとどうなるでしょうか?
そう、利益がでていない≒お金がないので返済にお金が回せません。 結果、「お金がなくなってまた借りる」 (借りられれば、ですが)という循環から抜けられなくなります。
利益を出すことは非常に重要なことです。 利益が出たら、そこから税金を払って税引後のお金で返済に回す(もしくはプールしておく)。 この循環を理解せずにやっていらっしゃる方が非常に多いです。 (そのあたりを経営者に理解してもらうのも僕の仕事です。)

必要な利益の額を把握しよう

そう考えると、今、金融機関から借入している方は、自ずと出さなければいけない利益の額が逆算できます。 月額10万円(+利息)の返済がある方であれば、税引後の利益(減価償却費がない前提で)を「10万円×12か月=120万/年」出す必要があります。
法人税の税率は800万までは約23%程度ですので、逆算すると、156万の税引前利益を出さなければなりません。月額にして約13万です。

現在の最低限必要となる利益を把握しておくことは、会社を継続させるために非常に重要な要素です。把握出来ていない方は、まず現状の理解に努めましょう。難しくて分からない、自信がないという場合は税理士にご相談ください。

返済と利益のバランスを取る

ここまでの話をまとめると、金融機関から借入をしている方は、「出さなければいけない利益の額」が逆算できます。 この返済分も含めた利益を確保するか、出費を減らす、つまり月額の返済額を減らさないと資金がショートし、会社は後々潰れてしまいます。

では返済を減らすのか、利益を上げるのか?
お金が回らない(≒事業が立ち行かなくなる)という事態にならないために返済と利益のバランスを取らないといけません。 少なくとも利益が返済を上回る必要があります。 答えとしては当たり前ですが、 利益が想定より少なければ、以下の2つしかありません。

1.返済金額を減らす方向で交渉する
2.返済金額に間に合うように利益を上げる



返済と利益のバランス① 返済金額を減らす

まずは返済金額を減らすためのアクションを紹介します。 正直、返済金額を減らす交渉をする機会は少なく、難しいです。 
通常だと金融機関の借り換えのタイミングで交渉し、返済期間を延ばしてもらう必要があります。 ただし、銀行側としても「新しい追加融資をしたい」など思惑があり、長い返済期間の融資は、様々な条件が揃っていないと難しいです。

なにより、そんなに短期間に何度も融資を受けるのは簡単なことではありません。 そのため、銀行との交渉を見据え、以下のことは基本としてやっていただければと思います。

●利益は常に出しておく 
●取引銀行はできるだけ1行ではなく、2行以上と付き合っておく
●金融機関に説明のしやすい決算書を作っておく

返済と利益のバランス② 利益を増やす

他方、もう一手の「利益を上げるためのアクション」は大きく2つ考えられます。
 
●売上や粗利を増やす
●固定費を削る

創業からまだ間もない方であれば、着眼点が前者に行くことが多いですが、ある程度事業を続けられている方は着眼点が後者に行くことが多いです。 そこでまず後者の「固定費を削る」という観点で考えていきましょう。
この部分は削れれば非常に大きいです。 例えば固定費を10万円削れれば、利益が10万円増えます。 

逆説的ですが利益を10万円増やすために、頑張って売上を増やすという目標設定をしたとしたら、 具体的にはいくら売上を増やせばよいでしょうか?
10万円ですか?
業種にもよりますが、ほとんどの場合違いますよね。売上10万円UPしても、その売上を生み出すために原価がかかっています。 例えば飲食店であれば原価率が30%程度(≒利益率70%)の事業が多いと思いますが、 そうすると売上10万円UPしても利益は7万円です。

利益を10万円にしようとすると、「10万円÷70%≒14万3千円」の売上が必要です。 利益率がもっと少ない商売もありますから、そうなるともっと多くの売上獲得が必要です。

固定費削減のススメと節約例

そう考えると、多額の固定費の削減ができたとすればその効果は絶大です。 ただ、みなさんやれるところはやっているよ、という方が多いので、 参考までにお役に立ちそうなことをあげておきます。

●電気代
●水道代の節約 店舗などをやられているところ
●コピー機(保守料金)の節約 ・電話代の削減

このあたりは、自助努力ではなく、削減コンサルの方もいますので成功報酬でご案内できます。

売上獲得時に気を付ける2つの事

コスト削減についてはできたとしても削る話なので、限界があります。 やはり本質は売上等によって利益を稼ぐ必要があります。 早速ですが、売上等によって利益を獲得する際に気を付けてほしいことは2つあります。

●単に売上を増やすことを考えるのではなく、粗利益を稼ぐという観点で考える必要がある
●単価を増やすのか、客数を増やすのかを分けて考える

そもそも論ですが、なんでも受注して売上をあげればよいというものではありません。 特に建設業などは、資金繰りで目先のお金ほしさに粗利がほぼ出なくても受注するような状況も見受けられます。 しかしながらこれは本末転倒で、続ければ倒産の憂き目にあうことになってしまいます。

客単価を増やすのか、顧客数を増やすのか

売上はどんな計算で示せるでしょうか。
例えば、売上=客単価×客数と考えられます。もう少しかみ砕くと、売上=客単価×顧客数×リピート率でもいいかもしれません。 売上をUPさせよう、となるとまず多くの皆さんが新規受注や新規顧客をイメージします。
つまりは「顧客数」を増やす、ですね。

そして、もう2つ要素があります。
1つは客単価です。 製品や商品の値段ではなく、一人当たりの顧客にいくら使ってもらうか、です。そしてもう1つはリピート率です。 同じ顧客が再度来店(使って)くれるのかどうか、です。

資金繰り(キャッシュフロー)改善のためのアクション

売上を5割増しさせたいというときに、顧客を5割増やすというのは非常に難しいですよね。 でも客単価を15%増してください、というのはどうでしょう。
いつものお客様に、もう一品購入していただく工夫はできませんか? 顧客数を15%増やしてください、リピート率を15%あげてくださいはどうでしょう。 SNSやブログなどのツールや広告媒体を使って、新規顧客を開拓できませんか?リピートしたくなる仕組みを作って、年12回(月1回)来店するお客さんの頻度を14回にできませんか?

これら3つを15%ずつ増やせば、売上は50%以上UPすることになります。
それぞれ15%ずつUPさせるために、どんな手を打つか。 簡単ではありませんが、顧客数をいきなり1.5倍にするよりは現実的ではないですか? そういった施策を一緒に考えていきませんか?

おわりに

ということで、今回は「 資金繰りの考え方」という事で最後は売上や利益を増やすという観点に行きつきました。
税理士のスタンスにもよりますが、私はこういった観点でお客様に資金繰りを理解していただき、「利益を出すにはどうすればよいのか?」を常にお客様と議論しています。

せっかく行う会計処理で得られる財務情報をもとに、少しでも皆様の本業のお役に立てれば幸いです。資金繰りにお困りの際はいつでもお気軽にご相談ください。


 著者紹介
 トライデント会計事務所
 中川 保弘 (税理士)

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