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税務・財務
税理士が教える ! 二代目・三代目経営者になった人に考えてほしいこと

後継経営者が意識すべき3つのポイントとは

中川 保弘 (トライデント会計事務所) 2017-11-01

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先代経営者の右肩上がりの時代に対応した財務体質からの脱却


具体的に言うと、「借金たくさんあるけれどいつか返せると思っていて、結果全然減っていない状況」からの脱却です。
古き良き時代(笑)において、税金(法人税)は払いたくない、だから役員報酬上げたり経費使ってでも利益を減らすようなことを先代がしてきた、というケースが非常に多いです。

そのようなアクションはその時代としては悪くなかったかもしれませんが、基本的に利益を上げないと借りたお金は返せませんから、これではずっとこの状況を抜け出せません。 そうしている間に事業環境が悪化して資金繰りを圧迫しているケースが非常に多いです・・・。

借金は事業を加速させるためにするものはいいと思うのですが、二代目の場合、そもそも過去の負の遺産というだけで存在していることも多いのです。
経営者(二代目)としては経営を進める足枷にならないように、またいざというときにいつでも事業から手を引ける(保有財産を売却等すれば借金を何とか処分できる)範囲に借入金水準をとどめておきたいものかと思います。

そんなわけで会社の財務数字面から資金繰りを把握していただいて、まずは機動的に動ける借入額まで返済をすすめる(あるいは月の返済額を減らして調整する)必要があります。


相続税がある日突然たくさん来てあわてないよう、あらかじめ把握をしておく

先代の努力の結果、個人的に不動産などをお持ちの先代は非常に多いのですが、ありがちですが流動的な財産(現預金など)はそれほど多くない事が多いです。 またこの世代の経営者と付き合ってきた高齢の税理士は相続対策自体を提案していないことが非常に多いです。

ある日突然相続が発生し、数か月して税理士の相続税額の報告にびっくりしてあわてて資金を工面する方を今まで多数見てきました。 余裕で払えればそれで構いませんが、そうでなければこれでは困るのです。

程度の差こそあれ、どの程度相続税がかかりそうか、何が相続税の対象で、どうすれば減らせるのかを理解したうえで少しずつ対策していく必要があります。 税理士を巻き込んだ少しの対策の継続が、節税につながります。


先代の営業人脈を押さえておきつつ、新しい関係性も模索しておく

先代経営者は独自の人脈と強みを長年にわたって築き、ごく限られた世界においてそれをさらに特化してきました。 端的に言えばそれは元請会社から仕事を引っ張ってくるための人脈や強みです。

下請け工場などの場合、この仕事を引っ張ってくるためのルートが限られていて、元請1社としか取引ができない会社も多数あります。 そんな状況下で二代目がすることは2つあります。

一つは当たり前ですが、先代の気づいた人脈をもとに、仕事を引っ張ってくるルートに独自の人脈を築いておくこと。
当たり前ですが、元請側も人が入れ替わっていますので、それに若い二代目がしっかりアプローチしておく必要があります。 これはごくあたりまえです。

これに加えて考えて頂きたいのが、事業の横展開を考えておくということです。
財務的には1社の売上先に御社のすべての売上を依存するのはやはり非常に危険です。 特に扱っている製品等が汎用性がある(代替品が存在する)ような場合、環境が変われば仕事がなくなる可能性すらあります。

そういう意味で売り先を1社に依存することなく取引先を広げていくこと、場合によっては関連するジャンルで扱い品を増やしていったり、差別化していく必要もあるかと思います。 二代目の方々はすでに従業員などを養っていることも多いので、やはりこのような視点は必須かと思います。


まとめ

ということでいつも私が意識してお話ししていること3つ上げさせてもらいました。これらは単なる教科書的な理屈という観点ではなく、これまでお付き合いしてきた経営者の方々からもらった経験知です。

こういった観点も含めて、税理士として中小企業経営のお役に立てるようクライアントの皆さんにお伝えできればと思っております。

ご不明な点がございましいたら、お気軽にご相談ください。

 著者紹介
 トライデント会計事務所
 中川 保弘 (税理士)

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