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労務
育休最長「2年」は今年10月から !

改正育児・介護休業法まとめ

丸山 博美 (HM人事労務コンサルティング) 2017-08-23

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2017年10月1日、改正育児・介護休業法が施行へ

現状では最長1年半となっている育児休業期間を「2年」までとする改正法が審議され、3月31日に成立しました。
これを受け、企業においては今年10月1日の改正法施行に向けた準備を進めることになります。

ところで、育児・介護休業法についてはたびたび改正が行われているため、結局いつまでに何をどうすべきなのか、対応に苦慮している会社を散見します。ここでは、2017年に入ってからの育児・介護休業法の改正ポイントをまとめてご紹介することにいたしましょう。


2017年1月1日の改正項目

ご存じの方も多いと思いますが、育児・介護休業法についてはすでに今年1月より改正法が施行されています。具体的な改正ポイントは計8項目となっています。

(1) 介護休業は、対象家族一人につき「通算93日」を上限として「3回までの分割取得」が可能に
(2) 介護休暇は、「半日(所定労働時間の1/2)単位での取得が可能に
(3) 介護のための所定労働時間の短縮措置等は、「利用開始から3年」の間に「2回以上」の利用が可能に(介護休業の93日とは通算しない)
(4) 要介護状態の対象家族を介護する場合、「介護期間中の残業免除」を申請できる
(5) 有期雇用契約労働者の育児休業取得要件が緩和
(6) 子の看護休暇は、「半日(所定労働時間の1/2)単位での取得が可能に
(7) 育児休業等の対象となる子の範囲拡大
(8) 事業主に対し、上司や同僚、派遣先からのマタハラ・パタハラ防止措置を義務づけ

上記の具体的な内容は、下記で詳しく解説されています。「知らなかった!」「まだ対応できていなかった」という場合には、ぜひご確認ください。

参照 : 厚生労働省『育児・介護休業法が改正されます!』 


改正のキモは「育休は2歳まで延長可能」となること

それでは、今年10月1日より施行される改正法では、どのような点が変更となる予定なのでしょうか ? 
ポイントは3つ、最も重要となる「育休最長2年」の他、2つの努力義務が掲げられました。

(1) 育児休業の最長2年までの延長が可能になる
(2) 出産予定の方やその配偶者に対し、育児休業関連の諸制度等を周知する
(3) 育児を目的とする休暇制度の導入を促進する


詳細は以下です。

(1) 育児休業の最長2年までの延長が可能になる
育児休業について、原則的な期間は「1歳まで」ですが、保育園等に入所できない等の事情がある場合には従来通り「1歳6ヵ月」までの延長、加えて「2歳」までの再延長が認められます。 もちろん、育児休業期間の延長に合わせ、育児休業給付金の給付期間も延長されます。

(2) 出産予定の方やその配偶者に対し、育児休業関連の諸制度等を周知する
(努力義務)
本人、もしくは配偶者の妊娠・出産に際し、今後どのような制度を利用できるのか、休業中や休業後の待遇や労働条件がどうなるのかについての周知が、事業主の努力義務となります。

(3) 育児を目的とする休暇制度の導入を促進する
(努力義務)
未就学児を抱えて働く労働者の子育て支援として、育児のために使える休暇制度の創設が、事業主の努力義務となります。 これは、子の看護休暇や年次有給休暇等の既存の法定休暇とは別に与えられるものである必要があります。

参照 : 厚生労働省『【平成29年1月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし』 


まとめ

秋に予定されている改正法施行に向け、各企業においては「どこまで対応すべきなのか」が焦点となるものと思われます。特に中小企業においては、改正法対応によって生じる職場への影響やその他の社員への負担増が懸念されるところではないでしょうか。

この点、当面努力義務とされている事項については今すぐに対応せずとも、慎重に検討を重ねるのが得策であると言えます。もちろん、対応策が固まった後には、就業規則など諸規程の改訂も忘れずに行いましょう。

企業においてはたびたびの法改正が悩みのたねとなりそうですが、「今すぐやるべきこと」とそうでないことを正しく把握し、適切な形で改正法対応を進めてまいりましょう ! 

 著者紹介
 HM人事労務コンサルティング
 丸山 博美 (社会保険労務士)