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小売・流通 × イノベーションによる成長 国境を越えたリサイクル
日本で捨てる事務机が海外で大人気

オフィスバスターズ

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国内では売れない商品に、海外では大きな需要がある場合がある。
オフィス家具や事務機器のリサイクル販売を手掛ける「オフィスバスターズ」
(東京都千代田区)は国内で不要となった事務用品や厨房機器などを海外で販売する
事業を開始。経済成長が著しいフィリピンでは、日本製のリサイクル品が高値で売れている

買い手がつかない家具や機器
「日本で廃棄されているオフィス家具や厨房機器は、リサイクル品として海外で販売すると大きな需要がある」。こう語るのはオフィスバスターズのグローバル戦略グループ川野知希氏だ。
 2000年頃から、日本では外資系企業の進出が増え、欧米型のオフィス家具を導入する企業がたくさんあった。パーテーションで仕切られたオフィスセットやL字型デスクなど、豪華なオフィス家具を取り揃える企業も多かった。
 ところが2011年の東日本大震災で外資系企業の撤退が相次ぎ、事務所の廃止に伴い、こういったオフィス家具は不要となることが多かった。
 また、震災以降の日本では外食を控える傾向もあり、数多くの飲食店が店舗数を減らしたり、廃業したりしている。そのため、こういった飲食店で使われていた厨房機器も不要になることが多い。廃棄するには処理費用が掛かるので、企業にとっても負担となっていた。
 これまで、こういったオフィス家具や厨房機器はリサイクル品として生まれ変わり、新たに事務所や店舗を立ち上げる起業家にとって重宝されてきた。しかし、近年では、日本の中古市場だけでは取り扱いきれないほど数が増えており、そういった家具や厨房機器を有効活用する必要があった。
 

リサイクルでも〝日本製〟
 こうした国内の状況を考慮したオフィスバスターズでは、「日本で不要となったリサイクル品を海外で販売する」という新たな取り組みに力を注ぎ始めた。
 同社では、特にフィリピンでの事業展開を積極的に行っている。2012年5月からは、厨房機器などのキッチン用品のリサイクルを専門的に扱う「キッチンバスターズ」という事業もスタートさせた。

フィリピンのセブ島に、
2011年にオープンした
オフィスバスターズ・セブ支店


 経済成長が著しいフィリピンには、事務所や店舗を立ち上げるベンチャー企業が数多く存在する。そのため、オフィス家具や厨房機器の需要も多い。
 その上、フィリピンでは「修理して使う」という文化が昔からあるため、リサイクル品に対する抵抗がほとんどない。オフィス家具や厨房機器のリサイクル品に対しても、「良いものが安く手に入る」という感覚があり、人気が殺到しているのだ。
 日本から輸出する場合、販売価格に運搬費用が加わることになるが、同社では日本での仕入れ値を抑えることで対応している。「もともと日本では廃棄費用が掛かるものだが、当社が安価で引き取ることで利益に変わり、日本企業にもメリットとなる」と川野氏は語る。仕入れ値を抑えることで、日本とフィリピンの双方の企業にWin-Winの関係を築いているのだ。

オフィスバスターズ
グローバル戦略グループの
川野知希氏


 また、高度な修復の技術を持つ同社では、引き取った家具や機器を一品ずつ丁寧に直して販売している。修復された家具や機器は、海外メーカーがつくる〝新品〟と比べても遜色がない。 フィリピンでは〝日本製〟への信頼が高いため、フィリピン製の新品とほとんど変わらぬ高値で、日本からのリサイクル品が取り引きされているのだ。
 どこの国でもこれまでは、国内だけでリサイクルやリユースが完結することが多かった。しかし、今後は国境を越えて、必要なものを必要な国に送る、そんな〝新しいリユース〟の形が主流になって行きそうだ。
 

 

<Company Profile>
株式会社オフィスバスターズ
東京都千代田区東神田2-6-5
東神田ビル3F
03-5687-7039
http://www.officebusters.com/

 

(「月刊ビジネスサミット」2013年10月号)

 

 

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