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小売・流通 × イノベーションによる成長 その場でできるオーダーノート
〝書く〞に特化した専門店を

ほたか

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数ある種類の中から、好きな色や柄の表紙を選び、文字を書いたときの感触を確かめながら自分の好みの中紙を選ぶと、機械を使ってその場でノートにできるーー。そんな、自分だけのノートがつくれる専門店がある。文具店ほたかが運営するカキモリ (東京都台東区) だ。 自分だけのものがつくれるオリジナル性に加え、「すぐに欲しい」というワガママなニーズを満たし、素材のほとんどが同地域でつくられているという背景を持つことで、高い価値を創出している。

個人向け専門店として再始動

 2010年11月にオープンしたカキモリは、「書く」ことに特化した専門店だ。店内には万年筆やボールペン、インクやメモ帳など「書く」ための道具がセレクトされ、置かれている。特徴的なのは表紙や中紙、留め具などを選び、好みのノートをその場でつくることができるオーダーノートだ。 
「オリジナル性を出すために、突出したコンセプトを打ち出したいと考えた」。カキモリを運営するほたかの広瀬琢磨社長は、その場でつくれるオーダーノートをカキモリの主力とすることを決めた理由をこう語る。
  もともとほたかは60年以上の歴史がある老舗文具店だ。「当時の社長から、父がM&Aによってほたかを買収、自分が経営に携わることになった」(広瀬氏)。以前は、官公庁を中心に、事務用品を納入する仕事をメインとしていたが、BtoBでの事務用品市場は、近年、低価格のうえにすぐに納品される通信販売へと切り替わった。その波に乗り遅れた同社は、急速に売り上げが低下していた。そうした背景のもと、群馬で文具店を経営し、当時業界の中小企業の中でも勢いのあった広瀬氏の父親に、事業継承の話が舞い込んだのだ。
  父親から「文具店の経営をやってみないか」と声をかけられ、06年にほたかに入社した広瀬氏は「3年ほどかけて緩やかに継承を行う予定だった」と振り返る。ところが、社内の状況を確認すると、会社は想像以上の火の車。すぐにでも大鉈をふるい、建て直しを図る必要があった。広瀬氏は入社3カ月でほたかの社長に就任。まずは赤字削減のための事業縮小を行った。 
「2年ほどかけて赤字部門を縮小。マンションの1室にまで小さくした」(広瀬氏)。縮小均衡により3年後にはなんとか黒字へと転換させた。だが、BtoBを続けるために通信販売へと軸を移そうと思っても、すでに大手企業がしのぎを削っている状態のなか、後発で始めても追い抜くことはできない。かといって、このまま続けていても未来はない。「文具業界で中小企業が生き残るためにはBtoCでの事業展開しかない」。かねてからこう考えていた広瀬氏は官公庁を相手にしたBtoBからBtoCへの転換を試みた。





カキモリが提供するオーダーノート。 表紙・中紙・リングの色・留め具の種類など、自分の好みに合わせて選び、その場でノートにできる
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