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36年続く、佐世保市で唯一のカプセルホテル

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当社は長崎県佐世保市でカプセルホテルを経営しています。1983 年、父が勤務していた造船・土木業会社が、新規事業として立ち上げた健康事業が始まりです。総務担当をしていた父は、融資などを任され事業計画も書いていた関係で、初代社長と一緒に当社を創業しました。社長が病気で亡くなった後はその娘さんが引き継ぎましたが、2010 年に代表権を譲ってもらいました。

36年続く、佐世保市で唯一のカプセルホテル

現在、父、姉、私の3人で経営しています。私は専門学校卒業後、日本郵政に就職して7年間、五島列島での営業をメインに働いてきました。郵便局での仕事は楽しく、五島列島内では3年間トップセールスを達成しました。しかし、佐世保に転勤になった時、父が体調不良で仕事を休みがちだったので、郵便局を辞め、6年前に弊社に転職をしました。

ひぜしん未来塾に参加したのは、2017年、入社4年目の時です。カプセルホテルは長崎で2店、佐世保では弊社1店のみで、ほぼ独占企業でした。以前は、飲んだ帰りに利用するお客様が多く、何もしなくも経営が安定していました。

しかし、ネットカフェが台頭し、不景気で飲みに出歩く回数が減るに従い、売上も低迷してきました。月1回ミーティングを行っていましたが売上の前年比を見るだけで、現状把握ができず戦略も立てていませんでした。「時代が変わるなかで、これまでと同じことをやり続けるだけでい
いのか」と疑問に思っていたところに、九州ひぜん信用金庫の浦本様にお声がけをいただき、参加を決めました。

未来塾に参加し自社の強みと弱みを分析

受講後、自社の現状を把握するために、まずは講習で習ったSWOT分析を実施しました。そして自社の取り組み目標を決めました。当社の強みは、36年続いていることへのお客様からの信用。そしてサウナ室の中で実施している「ロウリュ」「アウフグース」という、県内では当社のみが行っているサービスです。

これは、熱したサウナストーンに水をかけて発生させた水蒸気を、熱波師という専門スタッフが入浴者に向けて力強く扇ぐというものです。熱波で体感温度が高くなり、サウナの醍醐味である発汗を促します。また、強みを見直す中で、当社が当然取り組んでいたことが強みであることも分かりました。

都会のカプセルホテルには「終電を逃して仕方なく泊まる場所」「汚い・臭い」というイメージもあるようですが、当社では掃除や整理整頓を徹底し、常にきれいなのが当然と考えています。口コミでも高評価をいただき、従業員のモチベーションアップにも繋がりました。一方で、改善すべき課題=弱みもあります。施設の老朽化、ITの導入が遅れ手書き作業が多いこと、宴会客や60代以上のリピーターが減少していることなどです。

従業員を巻き込み意識改革

自社の強みと弱みを分析した後は、従業員とお客様のニーズとを再考し、数字をもとに改善計画を立てるようにしました。それまでミーティングでは売上の合計しか話していませんでしたが、時間別、会員・一般客などお客様の属性別、サウナ・マッサージ・レストラン・カプセルホテルなどで細分化したデータを出すようにしました。従業員とともに、どの利用が伸びており、どれが落ちているのかを把握し、従業員主体でイベントを企画しました。

お客様に直接接している従業員に企画してもらうことで「社長や経営陣が会社を動かしているのではなく、従業員も一緒に会社を動かしている」という意識が生まれました。2、3年前の未来塾に参加する前と比べて従業員も「目の前のお客様に、いかに喜んでもらえるか」ということに、明らかにより真剣に取り組んでいるように見受けられます。ミーティングではイベントの効果・結果を、従業員にフィードバックするようにしました。

自社の目標についても、毎月のミーティングや毎日の業務中に何度も話し、従業員に再認識してもらいました。また、SNS の活用は以前から積極的にしていましたが、さらに力を入れるようにしました。Twitter、インスタグラムなどで当社の強み=売りであるロウリュや清潔な環境をアピールし、ネットの口コミレビューでは、首都圏の人気店と同じくらい名前が上がるようになりました。特に都心部でのサウナブームもあり、県外からの利用者も増え、GWには東京、大阪、名古屋からのお客様も増えました。

会員客の高齢化もあり、ここ半年間の会員数は前年から約80人減っていますが、利用人数は前年比で110人増、売上は半年で去年より130万円アップしました。単月だと20万円増とまだ微々たるものかもしれませんが、従業員が頑張った結果としての増収なので、とても価値があるととらえています。喫緊の課題は建物の老朽化への対応です。修繕費はかかりますが3~4年後には建て替えをして、男性客だけでなく女性客も取り込めるような店作りをしていきたいと考えています。

今後もさらにサービスを向上させ、「おかえりなさい」の精神でお客様をお迎えし、忙しい毎日のなかの「心の贅沢」を提供していきたいと思います。



株式会社足立興商
専務取締役 足立琢哉氏


1986 年生まれ。専門学校卒業後、日本郵政に7 年間勤務。営業では五島列島内トップセールスを記録。2013 年、足立興商に入社し、父、姉と共にカプセルホテル サウナサンを経営。カプセルホテル、サウナ、レストラン、マッサージなどの業務に携わる。



Company Profile
株式会社足立興商

http://sauna-sun.com
所在地 長崎県佐世保市塩浜町6-15
T E L 0956-23-3000

 

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