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製造 × 後継者による事業革新
苦境を乗り越えてきた社員と今後も共に歩き続ける

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当社は、昭和50年に松本城東側の「城東」に、創業者の親戚の倉庫を間借りして冷凍冷蔵庫 の設置販売を始めたことからスタートしました。現在は冷凍冷蔵庫の他、エアコンのメンテナンスを主に、冷暖房の設備サービスを提供しています。私は17歳で社会人として早めのスタートを切りました。一から技術を育ててくれたのが、叔父である2代目社長です。「とにかく誰よりもきれいに仕上げたい」その一心で仕事に励みました。25歳のときに独立し、仕事を自分一人でこなさなければならない責任は重大だと気づき、休日なしで報酬の高い土日の仕事を必死に請け負いました。無 我夢中で修行し、6年半後に当社に再就職。33歳になる年、代表取締役に就任しました。

業績に社員数が反比例

就任後、みんなで「売上2億」を目指して頑張り、達成しました。
当社一番の実績です。しかし、目標の数字ばかりに目が向き、実際の数字の根拠や一人ひとりの社員の頑張りに、私の目が行き届いていませんでした。社員数は今の3倍でしたが、業績を上げていた社員はごく少数だったのです。そのうち「自分は頑張っているのに、頑張らない社員のしわ寄せを受けている」と不満な社員は、次々と退社していきました。この業界では、社員として資格やスキルを得ると独立して「一人親方」になる者が少なくないのです。自分も独立の経験があったので、独立を望む社員を止めようとは思いませんでした。会社の売上は一気に減少。当時は何が問題なのか自問自答しながら、毎日歯を食いしばって耐えていました。

何から対策を始めたらよいかわからず、松本信用金庫さんの紹介で「みらい経営塾」に参加。「自社の強みは何か」を、改めて見つめ直しました。経営者として未熟な私は、自分の理想ばかりを押しつけ、社員とどこかずれていました。経営塾で教わった「分離礼」の基本に還り、自分から挨拶を進んでするようにしました。その日の社員の体調、仕事の進み具合がわかる挨拶は、基本かつ最も重要なコミュニケーションです。
また、人材育成にも注力し始めました。私は人材育成とは「仕事を通して生き方を学んでもらう」ことだと思っています。

仕事の時間は人生の大半を占めますが、1日をどう過ごすのか、自分の時間をどう作っていくかなどの生き方を、仕事で学べたらどんなに素晴らしいだろうと思うのです。私たちの仕事は、エアコンを修理して快適な環境を提供すること。お困りのお客様から「ありがとう」をいただけるこの仕事に、たくさんの感動があることを社員に伝えています。



手書きの日報で感動を共有

2年ほど前から始めた当社の業務日報は、アナログですが手書きにこだわっています。
手書きなら、字が雑、平仮名が多い、漢字を間違えている、といったことからも社員の状態や気持ちを察することができます。私も日報に必ず目を通し、朝礼の場ではできないような個別指導も出来るようになりました。今では日報は社員との大切なコミュニケーションツールとなっています。当社の日報では一日の業務報告のほか『気づいた点』として、お客様の困りごとや、自分自身が何に気づきどう思ったかを記します。

当初は「特にありません」「作業完了」などの内容でしたが、ある時、「『すぐに対応してもらえて助かりました』と言われ嬉しかった」という記載がありました。この時の感動は今でも忘れません。これをきっかけに、仕事で感動する素晴らしさを社員たちと共有できるようになり、社内の雰囲気が変わっていきました。

顧客満足度で驚きの大躍進

社員の変化は、大手メーカーの顧客満足度を計るアンケートはがきで、目に見えるようになりました。設置・修理対応させていただいたお客様にアンケートはがきを配り、
作業員への評価を記入・投函していただき、メーカーがアンケートを集計して優秀者を表彰するというものです。当社はそれまではがきを配ることもほとんどなく、お客様の声から目をそむけていたのです。その結果、当社のサービスマンの一人は全国900 人中最下位に近い順位になってしまいました。

しかも同じ頃、県内の他会社が優良会社として表彰されるのを目の当たりにしました。悔しさのあまり「来年はうちが優秀賞をとろう! みんなで表彰受けに東京行こう!」と檄を飛ばしました。社員にアンケートの目的を説明し、はがきを配りに配りました。売上に直接つながらなくても、はがきで顧客満足度=私たちへの評価をいただくのだと気持ちを一新し、
サービスに打ち込みました。次第に結果がついてくるようになり、最下位に近かった社員がついに昨年度、全国4位まで大躍進しました。

当社の業績もメーカー目標の130%をクリアし、会社も優秀賞をいただきました。何よりもうれしかったのは「優秀絆賞」でした。自分達が行動したことが数字という形になっていき、そこから達成したことの喜びが自信につながることを社員に知ってもらえたことは、かけがえのない幸せです。自社の強みは「安心してお使いいただくために、安全第一で、クオリティをお届けする」こと。エアコン工事の完成度によってエアコンの寿命も変わります。価格競争が厳しい業界ですが、「他の業者より料金が高い」と言われれば、「当社はお客様に長く使ってもらいたいので部材をケチりません」とハッキリお伝えします。

また、業務用エアコンのノウハウを個人の方にも知ってもらうために、一般向けHPも開設しSNSも活用するなど、進化を止めません。元号が変わった今年は、当社も『変わる年、変える年』です。お客様、社員、社員の家族、支えてくれる仲間のために、今後も精進してまいります。

城東冷機サービス株式会社
代表取締役 松岡伴斉氏


1977 年長野県生まれ。17 歳で城東冷機サービスに入社してエアコンの技術を
学び、自分が追求する仕事をスタート。独立を経て31 歳で同社に復帰し、33 歳
で代表取締役に就任。



Company Profile
城東冷機サービス株式会社

所在地 長野県松本市神林5770-2
T E L 0263-57-6010

http://johtoh.jp/

 

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