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サービス・IT × 後継者による事業革新 経営者塾の受講者が語る
売上重視から 従業員の幸せを追求する会社へ

北崎自動車工業株式会社

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当社は1979年、自動車整備業からスタートしました。2005年に貸切バス事業を開始。保有台数は、大型バス11台、中型バス3台、マイクロバス6台。学校・企業関連に特化した貸切バス事業を展開しており、部活動の移動や大会遠征、保育園・学校のバス遠足、企業の研修会、慰安旅行の他、町内会各種行事、冠婚葬祭での送迎など、幼児からシニアまでの幅広いお客様のニーズにお応えしています。

自動車整備業から貸切バス事業に

自動車整備工場では自社のバスをはじめ、運送会社のトラック、トレーラー、タンクローリーなどの大型車両を主に扱っていますが、従業員の自家用車のメンテナンスも福利厚生の一環として社員価格で行っています。自社のバスには地元白山市(石川県)の花である「あさがお」がデザインとして描いてあり、走る広告塔として白山市を全国に発信しています。

売上至上主義から従業員第一の会社へ

きんしん経営塾(金沢信用金庫主催)に参加したのは、2015年、本社を移転した直後でした。当時バス事業を開始して9年目。新しい社屋をつくるのを目的に、売上至上主義でがむしゃらに頑張ってきました。

バス事業を始める前は6名であった社員も40名になっていました。自動車整備工場のみで営業していた頃は、企業というより家業。しかし、社員数も40名を超え、マネジメントをするための仕組みづくりが必要だと感じていました。また、売上を求めるあまり、社員よりも会社が優先となり、長時間労働で従業員に負担をかけ、結果、離職率が高かったことも問題でした。

さらに、お客様に対応が悪いとお叱りを受けることもあり、社員教育など、何からどう手を付けていいか困っていた、そんな時に、金沢信用金庫さんからお誘いをいただきました。きんしん経営塾ではグループワーク形式でより実践的な経営を学べるということや、異業種の次世代経営者や幹部など、同じ境遇の方々と話をし、自分の考えを検証したいとの思いから参加を決めました。









「白山きたさきバス」として地元のお客様から支持されている

一プレーヤーではなく経営者としての自覚を持つ

きんしん経営塾に参加してまず気がついたのは、経営者としての計画性や戦略性が不足していたということです。当時は自分自身がプレーヤーとしてハンドルを握り、その合間に通常業務をこなす等、社長業とはほど遠い状態でした。

そこで、組織としてどうあるべきかというテーマで、経営計画を見直し、SWOT分析をし、幹部と何をすべきか議論。会社の課題を抽出し、地元密着型の貸切バス事業に重点を置くという方針に舵を切りました。自動車整備業も大型車両整備に特化することで他社との競争を避け、価格競争に巻き込まれないようにしていきました。

経営者の最大の仕事は、決断すること。意志決定をするには、ロジカルな思考が必要。会社の現状を正確に把握し、精度の高い意思決定をするために、より数字に強くなろうと意識するようになりました。それまでは売上だけを求めていましたが、利益重視に転換。バス運賃を算出する際の原価計算を見直し、利益が上がる構造を追求しました。

営業担当者にも原価計算ができるツールを持たせ、常に利益率と原価を考えて見積もりを出すことを徹底しました。その結果、この3年間で、売上はゆるやかな上昇ですが、約3%だった利益率は、10%近くになりました。バス業界では売上拡大を目指すと、長時間労働に向かいがちです。しかし、当社では労働時間を減らし従業員の負担を軽減することを優先。利益率を上げて収益を増やすことを目指しています。

最近では、運行管理、営業、整備の3つの部署の幹部育成にも力を入れられるようになりました。以前は、幹部も私同様「プレーヤーの一人」という意識でした。そこで幹部社員のトレーニングとして、試算書・決算書の見方を一緒に勉強し、外部の研修会にも積極的に参加をさせるようにしました。外部の人と会うことで視野も広がります。今では幹部としての自覚を持ち、部下への指示も具体的でわかりやすいものになっています。

私自身も幹部と積極的にコミュニケーションをとることを心がけ、週2回、幹部を集め15分ほどの社内ミーティングをしています。その間にあった出来事や、判断に困ることを共有することで、部署間の連携が密になり、全員が、会社全体を目配りできるようになりました。些細な行き違いが生じなくなったのも大きな成果です。

業界イメージアップと次世代につなげられる企業へ

現在の重要な課題は、人材確保です。50歳代の従業員が多く、あと10年で多くが定年退職を迎えます。給与面はもちろん、バスを新車に代替えして従業員のモチベーション向上を図ったり、労働環境を見直したり様々なことに取り組んでいますが採用では苦戦しています。

長距離バスの事故なども重なり、バス業界自体にマイナスのイメージを持たれているのも大きな壁です。当社のような中小規模のバス会社は人も足りず、資金もふんだんにあるわけではありません。その限られた資源を最大限活用し、皆で知恵を絞る。会社や業界の未来をつくることこそが社長である私の最大の使命。次世代につなげられる組織づくりをしていきたいです。













北崎自動車工業株式会社
代表取締役社長 北崎浩幸氏

1975年、石川県生まれ。地元の工業高校卒業後、1998年北崎自動車工業に入社。
2008年代表取締役社長に就任。

Company Profile









所在地 石川県白山市三浦町151番地
設立 1990年(創業1979年)
TEL 076-275-0288
従業員数 40名
資本金 1,000万円
売上高37,000万円
http://www.kitasaki-bus.com

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