3分で読める「現場を変えた社長の一工夫」

ビジネスサミットOnline » 現場を変えた社長のひと工夫 » 人を活かす会社作りで、やりがいアップ 。社員だけでなく、社員の家族も幸せに

小売・流通 × 後継者による事業革新 経営者塾の受講者が語る
人を活かす会社作りで、やりがいアップ 。社員だけでなく、社員の家族も幸せに

今西物流株式会社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今西物流株式会社は、奈良県を拠点に、物流倉庫業務、物流配送、保冷配送を行っています。創業は1983年4月、父が今西運送を創業。2カ月後に共同出資設立会社として、榛原運送株式会社を創業しました・・・

陸上自衛隊を20歳で退任し26歳で社長業をスタート

その頃私は中学生。父の仕事を見て、トラックに乗りたいという憧れはありましたが、当時は売り上げも少なく、雨が降ると仕事がない状況。安定した職業をと、高校卒業後、自衛隊に入隊しました。小さい頃からボーイスカウトを通して野外活動に興味があった私は、自衛隊を一生の仕事と考えていたのです。しかし、数年後に父から「事業承継したい」と言われ、20歳で自衛隊を退任。帰郷後、共同出資設立会社の榛原運送株式会社で働き、99年4月、榛原運送株式会社の筆頭株主の交代を機に、独立して今西物流株式会社を立ち上げ、26歳で代表取締役として就任しました。

父に「社長になるか?」と聞かれ、その時は何も考えず「ええよ」と軽い気持ちで引き受けましたが、会社が大きくなるにつれ、このままでは会社を潰してしまうのではないかという危機感を抱くようになりました。そこで、取引先の係長、部長、社長とありとあらゆる「長」がつく人に「会社組織をどうすればいいか」を尋ねて回り、私なりに「社長業」を一から学びました。

徹底した数字の見直しでコストダウンと収益増へ

徹底して取り組んだのは、高収益な会社づくりです。例えば、トラック1台が365日稼働する場合、1日の人件費が1万5千円とすると、1カ月で46万5千円必要です。人件費以外も消耗品であるタイヤ、燃料費、保険料なども細かく1台あたりの1日のコストを計算することで、顧客とも適正な交渉ができるようになりました。

また車両は、取引先との付き合いからと言い値での購入を見直し、リースを活用することで経費を削減。トヨタのカンバン方式からヒントを得た生産性管理表や、倉庫内ロケーションで、業務の効率化を図りました。業績も拡大し、2009年に安全性優良自動車運送事業所の認定とグリーン経営の認証を取得、翌年も優良自動車運送事業者表彰など数々の認定や認証、表彰を受け、事業も順調でした。14年には、関連会社として倉庫業をメインとした今西物流サービス株式会社を設立し、分社化しました。












業績は順調なはずなのに社員からなぜか笑顔が消えた

ところが5年前、社内の空気がギスギスしているのを感じました。経営陣の会議ではコスト削減の話ばかり。社員の笑顔がなく、活気もありませんでした。当時の職場は昔の軍隊のように、トップダウンで上下関係も厳しい職場でした。利益を追求し、社長の自分が景気よく派手にふるまうことが会社のステータスになると思っていました。

しかし時代も変わり、自分よりもまず従業員の成功を考えることが大切だと気が付きました。そんな時に子どもの運動会で、他の保護者から大和信用金庫さんの若手経営塾の話を聞き、参加を決めました。そこで改めて感じたのは「経営者は数字に強くないといけない」ということ。そして、経営塾への参加を機に、同族経営を廃止することにしました。たとえ会社を継ぐのが身内以外でも、自分の名前が付いた看板が残れば立派な事業承継です。

若手経営塾参加後は、毎年、何人もの社員を勉強のため塾に参加させています。私自身も、もう一度、原点に戻って学びたいものです。卒業後のOB会も盛んで、横だけでなく縦のつながりもでき、塾の先輩の会社で物流をお手伝いするなど、仕事の幅を広げることにもつながっています。

家族同様に社員を大切にし離職率0%を実現

現在は、社内で笑顔が生まれる環境づくりを大切にし、社員のお誕生日会や家族参加のBBQの開催、社員の野球チームも作りました。運送業界で開催された「トラックドライバーのイケメンコンテスト」に応募した社員を社員一丸で応援するなど、社員も家族も同じ仲間という意識を持ち、会社を楽しく盛り上げています。

さらに、元看護師の社員による健康診断後の分析や日頃のドライバーの健康管理など、福利厚生にも重点をおき、今後、民間救急車にも事業拡大していく予定です。また、幹部を立候補制にすることで、社員のモチベーションをアップしました。

他にも、故郷に恩返しをするため、宇陀市のPRをペイントした車両を走らせたり、母校の小学校の卒業式では、卒業生の絵をペイントしたトラックで門出を祝ったりと、子どもたちが将来、「こういう会社に勤めたい」と思ってくれるような会社づくりを目指しています。

これらの取り組みの結果、30%だった離職率が、昨年度は0%に。人材不足のなか、会社のHPやSNSで求人するだけで、社員数も10名以上増えました。私は経営をゼロから独学で学んできたので、何が正解かはわかりませんが、若手経営塾を始め、たくさんの方に出会い、あらゆる意見を聞くことで、自分の方向性は間違っていないと再認識することができました。これからも社員を第一に考え、人を活かす会社作りをしていきたいと思っています。


 今西物流株式会社
 代表取締役 今西哲哉氏

 1970年奈良県生まれ。高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。
 20歳で退任、榛原運送株式会社を経て1999年、
 今西物流株式会社設立と同時に代表取締役に就任。
 2014年、倉庫業をメインとした今西物流サービス株式会社を
 設立し、分社化した。

















住所 奈良県宇陀市榛原下井足1484-1
TEL 0745-82-3239
創業 1983年
設立 1999年
資本金 1000万円
売上高 3億2000万円
従業員数 35名(車両総数31台)
http://www.imanishi.nara.jp

記事の絞込

■業種
■カテゴリー

業種

カテゴリー