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サービス・IT × 後継者による事業革新 経営者塾の受講者が語る
地域経済循環型のシステムで共に支えあい助けあえる社会を創る

株式会社やまびこ学苑

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私どもの「やまびこ学苑」は、発達障がいのある子供たちの自立支援施設で、業態は、療育型の放課後デイサービスです。小学生から高校生までの子供たち一人ひとりの個性や特性に合わせて個別プログラムを組み、生活能力の向上や、コミュニケーション能力の改善を目的としています。2013年から設立を準備、2014年4月に運営を開始し、現在長崎県内で10施設を運営しています・・・

子供たちの暮らしと健康、未来を守りたい

創業者である父は、国会議員として長年活動。私も父の秘書として、社会問題を目の当たりにしてきました。長崎では若い人がどんどん都会へ流出しています。そこで農業や自然エネルギー活用と「福祉」を一体化する事業で地域雇用を生み、そうした地域経済循環型の経済システムで長崎県を活性化できれば、と漠然と考えていました。

2013年、父が政治家を引退し、私も秘書を辞めました。その翌月から太陽光の販売店を始め、同時期にやまびこ学苑の設立を準備し、半年後に放課後デイサービスを開業しました。今年の2月には無農薬・無肥料の自然栽培「やまびこ農苑」も設立。学苑は高校を卒業した子供たちが、一般の大学への進学や企業に就職できることを目標としています。

しかし、私たちの自立支援を引き続き必要としてくれる卒業生のために、自然の中で自分らしく働ける「農苑」をつくりました。近年、残量農薬などの影響で慢性疾患をもった子供が多くなっているとも言われています。当社は、子供たちの健康被害、未来を守るための食育講習をするなど、本格的に食育にも取り組んでいます。

経営者塾には2016年、九州ひぜん信金の深井係長の誘いで参加しました。やまびこ学苑の設立時、私は事業家として何の実績もありませんでしたが、やまびこ学苑構想に共感し融資をしていただいたので、そのご縁を感じ、経営者塾に参加しました。当時は、特段、事業の悩みを抱えていたわけではありませんでしたが、参加したことで、大きな三つの気付きがありました。

まずは、経営理念の大切さです。支援者としての心構えについては昼礼で唱和していましたが、どんな未来にしたいかという「ビジョン」が抜けていました。そこで「やまびこ学苑の志」を作成し、月1回の全体会議で確認するようにしました。

二点目は、鈴木先生の「社員が辞めるのは、経営者に魅力がないから」という言葉です。当時は創業2年間で計30~40名もの退職者・退職希望者がいました。そのほとんどが未経験採用だったことから、社員が退職するのは「私の考えについてこられない」「自立支援の仕事に情熱がない」からだと、退職者自身の問題ととらえていました。

しかし退職者のなかには、やる気も能力もある人たちもいました。仕事が厳しくても「この会社で働きたい」と思わせる魅力が私にあれば、何割かは引き留められたはずです。それまでの私は、現場にも入り子供たちやご家族へのサービスの質の向上にばかり意識が向いていました。しかし先生の言葉で「自分の第一の役割は経営者」であり、社員がいきいき働けるようマネジメントすることを、強く認識しました。

そこでまず、人事考課の面談時に社員一人ひとりに評価の説明だけではなく、感謝の気持ちと期待を伝えることにしました。そして感謝の形として、全社員の基本給をアップ。さらに決算賞与を制度化し、社員・パートともに、最終利益の20%を均等に分配することにしました。

また、社員の悩みや改善要望などを聞くために「社員満足度アンケート」も実施。「職場に洗濯機が欲しい」といった要望があれば導入したり、全ての要望にフィードバックしたりと、社員が働きやすい環境づくりを心掛けました。昨年の平均満足度は5点満点で4点以上に、離職率も3分の1以下に減りました。

また、私のアイデアを形にする組織でなく、社員一人ひとりのアイデアが実現する会社にしたいという想いから、ホスピタリティ・療育スキル・イベント企画・リスクマネジメントなどについて社内委員会を設置。各プロジェクトには、各地の事業所からスタッフが横断的に参加するようにしました。ボトムアップ型の組織を目指し、社員は誰でも企画・提案を上げることができます。

意欲のある社員には、個人の研修費を5万円まで支給。ホスピタリティ委員会からのアイデアで「インターベーションサポート」コンテストを開催し、各事業所で取り組んだホスピタリティ活動の自慢大会(成功事例共有会)も実施しています。















地域のナンバーワンから全国のナンバーワンを目指す

三点目の気付きは、「ナンバーワン戦略」、しかもダントツ1位を目指すことです。当時やまびこ学苑は地域では多い方でしたが、ダントツではありませんでした。人口の多い長崎市や佐世保市では大手企業が参入し、競合も増えていました。そこで、私たちは先駆者として都市部だけでなく郡への展開を始めました。

今後は離島を含め、私たちのサービスを本当に必要として頂ける地域に事業所を積極的に展開していく予定です。経営塾を受講して2年、経営理念も社員に浸透し、指示待ちでなく自ら仕事を創る企業文化も育まれ、社員同士のコミュニケーションも改善されました。売り上げは1年目の3000万円からスタートし、今期は3億円以上、従業員も100名となる見込みです。

5年以内に障がい者の方々に日本一高いお給料を払える会社を目指します。今後も、子供たちの個性が輝き、笑顔で暮らせる地域づくりに貢献していきたいと思っています。


 株式会社やまびこ学苑
 代表取締役兼施設長 山田勝彦氏

 1979年生まれ。大学卒業後、2003年株式会社プレナス入社。
 2009年、父である山田正彦氏の事務所に入所。
 2013年太陽光発電システム販売店クリーンファーム開業。
 2013年の株式会社やまびこ学苑の設立以来、やまびこ学苑、
 やまびこ農苑の経営に携わる。






















Company Profile

株式会社やまびこ学苑
住所 長崎県佐世保市谷郷町2-4
TEL 0956-26-0707
創立 2014年
設立 2013年10月
資本金 300万円
売上高 2億4779万円(2018年3月期)
従業員数 80名(2018年6月7日現在)
http://www.yamabikogakuen.jp/

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