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製造 × 後継者による事業革新 経営者塾の受講者が語る
お客様からの評価が会社の通知表。自己満足で終わらない商品づくりを推進する

株式会社サンコー 代表取締役社長 杉浦多恵氏

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弊社は1975年の創立以来、「おいしさは自然のやさしさ」をキャッチフレーズとし、安心安全な食品やお菓子をつくっている会社です。無添加や無農薬のこだわりの素材を使用した約160品目を、60社ほどのご協力のもと、委託製造しています。昭和40年代は、高度成長期の工業化に伴う公害が広がり、健康被害が全国で問題視されていた時代。健康を害する可能性があるとされる添加物を使った工業製品も数多くありました...

誰もが安心して食べられる健康自然食品を企画製造
 
そこで創業者である父は「小さい子どもが安心して食べられる、健康のためのお菓子を作りたい」と、当時勤めていた銀行を辞め、健康関係の会社に転職して業界のノウハウを学んだ後、仲間2人と起業しました。

商品は、昭和40年、50年代に健康被害で困っていた方が立ち上げた健康食品・自然食品の業界で、主に問屋を通して販売。全国の生活協同組合や健康食品・自然食品の専門店、安全食品を追求しているグループなど、限られた市場で販売しています。

そうして、全国の保育園や幼稚園、小中学校の遠足のお菓子として利用していただき、最近では、検索ワードから弊社のHPを訪れる一般ユーザーの方も増えたことから、定価でのケース販売に限って、BtoCでの販売も始めました。

私は大学でも卒業後の就職先も、健康食品とは全く関係のない分野で好き勝手にやらせてもらっていました。しかし20代後半頃から「弊社の商品を支持し、求めてくださるお客様がいるのに、創業者一代で終わらせてしまうのは無責任なのではないか」という思いと、会社を次世代につなぎたいという気持ちが湧いてきました。

そこで弊社に入社し、15年ほど商品開発担当部署で働きました。両親とも社長業の大変さを知っているからこそ、最初は「会社を継がせたくない」という親心もあったようです。しかし母から改めて「会社を継ぐ気があるのか」と問われて自分の意志を伝えたところ、後継者として見てもらえるようになりました。そして2014年に、二代目の代表取締役に就任しました。
 
消費者目線からヒット商品が
 
社長に就任後、蒲郡信用金庫の担当者の方から、若手経営者塾に誘っていただきました。
「社長になって自分のステージは変わった。会社のために何か持ち帰る人間にならなければ」と、経営者塾への参加を決めました。参加したことで様々な気付きを得られましたが、心に刺さったのは「お客様の目線が第一、お客様からの評価が、会社の成績になる」ということです。

それまでに、自分が主導して開発した商品が全く売れないことがありました。しかし受講してみて、失敗した理由がよくわかりました。「材料や品質にこだわった健康によい食品であれば、売れるはず」と、自己完結していたのです。

当時の自分には、商品を実際に買ってくださるお客様の目線が欠けていました。いくら健康によくても、風味が感じられず値段も高いなどというお菓子は、お菓子として成立しません。お客様は二度と買ってくださらないでしょう。

そこでお客様目線の徹底を図りました。既存商品で苦戦していたものは、消費者の目を引くようなキャッチ―なパッケージに一新し、新製品についての会議では「これは誰のための商品か?」「ターゲットの子供は、この商品をどう思うか?」など、社員がターゲットやその目線を意識するように促しました。
 
やがて、営業担当者が丹念に聞き取ってきたお客様の感想やリクエストを参考に、7大アレルゲンを使わず赤ちゃんやお年寄りにも召し上がっていただける、口どけのよい米せんべい「さくふわせんべい 紫いも味」を開発しました。

以前なら「類似商品はすでにある」と却下しそうな企画でしたが、「他社製品と異なる歯ざわり」と、発売後すぐ人気商品になりました。社員の目線も大切だと思うようになりました。創業者の時代から毎年指針を発表していましたが、それを自分の課題として消化できる社員はなかなかいません。

そこで、経営者塾でも学んだ「理念・指針・行動計画」を意識して企業理念を作成し、各部署で行動計画に落とし込みました。社員の意識改革を目指して、週1回の朝礼で、社員と一緒に理念を復唱しています。









 
 
全社員を参加させる経営で将来は自社生産メーカーに
 
さらに、組織改革と人材育成にも力を入れました。それまでは古株のベテラン社員に頼りすぎだったので、各部署のリーダーがリーダーとしての意識を持てるように「部門長」という呼称を使い、部門長会議を毎週月曜朝に行っています。

採用活動にも全社員を巻き込むようにしました。新入社員の指導はリクルーターに任せていますが、自分が先輩となって教える立場になるので、意識が高まるのでしょう。成長を感じられるようになりました。

昨今、大手食品メーカーも健康食品を開発し一般のスーパーやコンビニで販売するようになり、自然食品・健康食品の業界は一般市場にのみこまれつつあります。そのなかで弊社の存在意義を保っていかなくてはなりません。

現在は製造を委託先のメーカーさんに委ねる形を取っていますが、今後は自社工場を持つことを視野に入れ、各種認証(HACCP、HSCC他)の取得を狙っていきたいと考えています。将来的には、子供から健康維持を望む高齢者まで、幅広いお客様に喜ばれる商品をつくる食品メーカーを目指していきたいと考えています。

 株式会社サンコー
 代表取締役社長 杉浦 多恵氏

 1992年私立大学理工学部電気工学科卒業。
 電気系企業入社後、変電所機器の設計担当、
 半導体素子の営業担当を経て、98年退職。
 同年株式会社サンコーに入社し、商品開発を担当。
 2013年取締役就任、14年代表取締役就任。










 Company Profile
 株式会社サンコー
 住所 愛知県豊橋市神野新田町字ルノ割24番地
 TEL 0532-32-0891
 創立 1975年
 資本金 2400万円
 従業員数 24名(うちパート3名)
 http://www.sanko-ty.co.jp

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