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サービス・IT × 後継者による事業革新 経営者塾の受講者が語る
被災を機に経営理念を再確認し 進むべき道が明確に見えた

大黒家

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大黒家は1946年創業、今年で73年目を迎える割烹料理店です。創業当初は旅館業を営んでいましたが宿泊客が徐々に減少したため魚屋を開業。その後、仕出し弁当を始めました・・・

私は大黒家の3代目で、調理専門学校の卒業後は、水戸のホテルや、小料理屋、居酒屋などで修行。料理や店の業務を覚え、30歳頃に大黒家に戻ってきました。その頃の店では仕出し弁当がメインでしたが、売り上げは低迷していました。
 
継承後、近くの斎場へ仕出ししていた同業他社の撤退を機会に、斎場と直接契約。葬儀のときにご用命いただいたお客様が、四十九日、一周忌、三回忌といった法要も大黒家でしてくれるという流れができました。そうして、少しずつ売り上げも回復していきました。










 

地元の優れた食材を活かし、名物メニューを開発
 
若い頃は「料理さえできていればなんとかなる」と考えていましたが、30歳半ばを過ぎ、次第に経営や販路拡大を考えるようになりました。

そんな折、同級生が地元で生産している「和之家豚」(わのかとん)という豚に出会いました。地元でとれた米を飼料に配合し、とろけるような脂身と赤身の味わいが特徴です。これを機に地元食材メニューを積極的に開発し、茨城町の料理コンテストに「和之家豚」唐揚げを出品し優勝。2010年には、「かぼちゃプリン」がご当地B級グルメに選ばれました。

攻めの経営を目指して、2011年には中小企業庁の経営サポート「経営革新支援」も申請しました。ところがその直後、東日本大震災で被災。プレハブ店舗で再スタートしましたが、法要ができなくなったため、売り上げは過去最低に落ちてしまいました。

そこでランチを始め、法要がなく暇になった土日には、地元のグルメイベントなどに参加するようにしました。震災をきっかけに以前にも増して意識的に地元の食材を使い始めたので、行政の方からもイベント出店のお声がけをいただくようになりました。

それがPRにつながり、1日10名程度だったランチ客も、平均して30名、多いときには80名も入るようになりました。現時点ではまだ事業継承の途中ですが、料理に関しては全て自分の判断に任されています。













 
 
経営理念の再確認で従業員にも変化が
 
未来塾には、水戸信用金庫の支店長さんから誘われて参加しました。過去の参加者リストには知った顔が並び、「自分も」と受講を決めました。

経営革新支援の申請時に、1年かけて「伝統を守り、地元食材で地域を元気にする」という経営理念を考えましたが、未来塾への参加で自社の強みや経営理念を再確認し、経営方針をブラッシュアップできました。

どんな逆境や困難があっても、逃げる事なく挑戦してこそ伝統は守られる。自分に自信と誇りを持ってチャレンジする事が大切です。

未来塾で特に印象に残ったのは、毎回の講座の最後に、4~5人のグループでディスカッションをし、講座で学んだことを各自の目標や課題としてアウトプットしたことです。人によって考え方やとらえ方が違い、とても勉強になりました。先生の話を聞いて、なるほどと納得したり、同じ経営者の仲間と切磋琢磨したりすることで、「俺も負けていられない」と、アクセルを踏むキッカケになりました。

未来塾の受講後、SWOT(強み、弱み、機会、脅威)を分析し、中期経営計画や行動計画を作りました。「生産者への感謝」「地元イベントへの出店」「障がい者施設や児童養護施設への協力」「地域のごみ拾い」「地元食材を使用したライブイベント」などは、受講前からやっていたことですが、改めて書き出すことで、より積極的に行動するようになりました。

さらに昨年12月から、ランチのデータ分析を始めました。来店客数や注文数はなんとなく把握していましたが、数値化してみると、あまり売れていないメニューや、ずば抜けて売れるメニューが一目瞭然となり、仕入れの際に役立てられるようになりました。

分析したデータは厨房に貼り、従業員も見られるようにしたところ、過去のデータと見比べて、「第一週の金曜日には、これぐらいの量を仕込んでおくといいだろう」などと、自主的に準備してくれるようになりました。
 
地産地消の輪を広げて店を100年続けていく
 
未来塾への参加前の自分にとって、経営理念はお飾り的なものでした。しかし未来塾で経営理念を見直してからは、物事に迷ったり悩んだりしたとき、経営理念が判断基準になりました。現在は経営理念を店舗にも貼り出し、自分の名刺にも印刷しています。経営理念を明確に打ち出し発信することで、協力者の輪も広がってきました。
 
震災直後は2000万円まで落ち込んだ売り上げも、ここ数年は4500万から5000万円で推移しています。細くても長く店を続けていくため、多店舗展開ではなく、地域での連携を強化していきたいと思っています。

利益を上げるだけでなく、地域との関わりが大事。まずは町内から地域をよくしていき、日本全体をよくしていきたい。10年後には町の人口が1万人減少すると予測されています。近隣の市町村からも店に来ていただけるよう、地産地消と地元目線に特化し、生産者への感謝の気持ちを忘れずに店を100年続けていくのが目標です。
 
 大黒家
 代表 圷雄一氏
 
 1973年生まれ。茨城県茨城町出身。調理専門学校の卒業後、
 ホテル、レストラン、
居酒屋で料理修行をする。
 2003年、30歳の時に大黒家に戻り、大黒家三代目として
 料理長に就任。現在も厨房に入っている二代目・圷誠一氏から
 事業を継承中。
 
Company Profile
住所 茨城県東茨城郡茨城町奥谷47-3
創立 昭和21年
TEL 029-292-0070
売上高 4,500万円
従業員数 10名(家族5名、パート5名)

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