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サービス・IT × イノベーションによる成長 ネット通販における「後払い決済」市場のパイオニア
「不可能」と言われ続けた事業を成功に導く

株式会社ネットプロテクションズ

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実現不可能と言われたEC 決済における「後払い」システムを事業化、成長を続ける株式会社ネットプロテクションズ(東京都中央区)。ネットショッピングの決済方法のひとつ「後払い」で業界トップシェアを誇る同社は、現在もなお成長を続けている。同社はなぜ、この困難な事業を成功へと導けたのか。同社代表取締役社長の柴田紳氏に話を聞いた。

「後払い決済」という新たな市場を創出

当社が柱としている事業は、「NP後払い」というネット通販事業者向けの後払い決済代行サービスです。ネットショッピングをする際に、決済の方法にはクレジットカードや代引きなどがありますが、私たちの提供するサービスは、そのうちのひとつ「後払い」になります。

サービスの開始は2002年3月。それまでのBtoCの業界には後払い決済代行サービスというものがなく、当社が日本で最初に事業化しました。

サービスの流れを簡単に説明します。お客様であるネット通販事業者からユーザーの購入情報が登録されると、その情報をもとにユーザーがきちんと支払ってくれるかどうかを当社で審査し、問題なければ「商品を出荷して大丈夫です」と連絡します。

次に商品の配送情報が登録されると、当社のほうで商品がユーザーのもとへ届けられたかを確認し、その確認ができたらお客様へ商品代金を支払います(図参照)。

ユーザーに対しては、出荷が完了したタイミングで当社から請求書を郵送。支払方法についてはコンビニ、銀行、郵便局から選べます。当社の収益は、契約条件によって異なりますが、手数料として取引代金の2・9~5・0%をいただいています。

サービス開始から16年。現在までに2万3000社もの企業にお使いいただきました。「NP後払い」を利用して支払ったことのあるユーザーは昨年3月に累計1億人を超え、年間流通総額は2016年度に1400億円を突破しました。同業他社も増えてきましたが、その中でトップランナーの地位にあります。当社のサービスがお客様から支持されているのは、お客様が運営するECサイトの売上貢献につながるからです。

現在、ネット通販における支払い方法はクレジットカードでの決済が主流ですが、当社が調査したところ、「できることなら後払いで支払いたい」と思っている層が2割程度存在します。その多くが30~40代の女性層です。商品を見てから支払いたいという心理が働くからです。

代引きという決済手段もありますが、玄関先で男性の配達員と対面して現金のやり取りをすることに抵抗感を感じる女性客も少なくないようです。また、ECサイトでクレジットカードを利用することにまだまだ不安があるという層も一定割合存在します。

さらに「後払い」を希望するユーザーの7割以上が「後払いがなければ購入をやめる」と答えています。「後払い」を導入しさえすれば、こうした売上機会損失を防ぐことができるため、ネット通販事業者は当社のサービスをメリットとして感じているのだと思います。

その他、煩雑な業務から解放されたり、未回収のリスクを100%保証するという点も当社のサービスの価値として提供できています。また、過去16年間に累計1億人以上のユーザーデータが蓄積されており、事業を続ければ続けるほど与信精度や運営ノウハウを高められるという状況を作り出しています。

このビッグデータの質と量が他社にはない当社の強みです。実績と信頼を積み重ねた結果、ここ3年ほどは、従来、自社内で後払い決済を提供していた比較的大手のネット通販事業者のお客様も増えています。それに伴い、取扱件数が一気に拡大し、当社の成長もさらに加速している状況です。














結果が出るまでは自分を信じ、ひたすら忍耐と我慢

ビジネスに限らずどんなジャンルでも、10年間、100%の全力を出し切れる人は、今、日本にはほとんどいないと思います。逆に、それだけの全身全霊の努力を続ければ、できないことは何もない。私自身のビジネス人生の根底には、そんな思いがあります。

私が新卒で入ったのはある大手商社でした。配属された部署は、『指定された仕入れ先から指定された卸先に売れば利益が出る』事業でした。そのため、私が求めるような、自分で考えて何かを新しいことをするという経験はほとんど得られませんでした。

3年在籍した後、関連の投資会社に転職しました。そこでネットプロテクションズの買収案件に関わった縁で、最初は出向という形でこの会社に入りました。ところが、実際に中に入ってみると、「後払い決済」というアイデアがあっただけで、設備やシステムといった具体的なものが何ひとつなかったのです。

ここで途方に暮れたり、挫折感を味わったりするのが普通かもしれませんが、私は逆でした。ならば、私が本当の意味で創業者となって、ひとつの事業を立ち上げようと決心したのです。ようやく私が思い描いていた仕事ができる場所ができたという思いでした。

もっともその後は苦労の連続です。「NP後払い」というビジネスは今でこそ、多くの方から評価されるようになりましたが、立ち上げ当初は誰からも賛同は得られませんでした。特に未回収リスクの保証など「不可能」「うまくいくはずがない」という反応ばかり。

私自身「無理かもしれない」と何度も思いました。それでも辞めなかったのは「やるだけやった上で失敗するなら仕方がない、しかし途中で投げ出すのは自分の生き方に反する」という思いだけでした。

ただ、勝算はありました。

日本でECが普及する前から存在していたカタログ通販では、後払いでの支払いが一般的でした。このことからサービスに潜在的ニーズがあると確信していました。しかもこのニーズには誰もまだ気付いていない。後は誰よりも早く事業化するだけです。成功するまでに時間はかかるかもしれないが、ビジネスとして必ず成立すると確信したのです。

実際、事業をスタートさせてから3~4年ほどは赤字が続きました。結果が出るまでの間は、潜在的なニーズへの確信と自分自身を信じること。後はひたすら忍耐と我慢です。もっと早く利益を出すこともできましたが、短期的な損得より、将来、この会社を大きく成長させるために何をすべきかを重視した経営を行ってきました。


人材こそが当社最大の強み

現在、当社が本当に強くなったと感じられるようになったのは、独立心旺盛な社員たちのおかげです。「自立分散協調型のチーム」づくりを掲げています。立ち上げ当初は一人でトップダウン的に指示を出せばある程度事業が進んでいきましたが、そこから更に事業を拡大するにはそれでは限界がある。

そこで、トップダウン型からフラットな仕組みへと組織を変革しました。一部のリーダーがその他大勢を引っ張るのではなく、そこにいる全員が協調できて、全体を見通すことができ、長期的戦略を見据えることのできる人材にならなければ、この事業は成り立ちません。

そこで、新卒採用にはかなり力を入れています。採用する基準は”生意気な人”。「そもそも」を疑ってかかるような本質的思考力の持ち主です。こうした人は、いったん腹落ちさえすれば、やたら頑張ってくれるようなタイプが多いからです。

一般的な会社であれば、活躍の機会を与えられず、すぐ辞めるような人材かもしれませんが、この3年間で辞めた新卒はほとんどいません。本当の意味での当社の成長要因あるいは競合優位性は、当社の人材にあると断言できます。

こうした人材に恵まれ、私自身、今後の展開を楽しみにしています。これまで培ってきた経験やデータ、ネットワークを駆使して、例えばリコメンド広告事業や与信管理に基づく金融事業など、「NP後払い」に派生する新規事業のチャンスは無限に広がっています。当社がミッションとして見据えているのは「つぎのアタリマエをつくる」ということ。現在手にしている強みを武器に、決済以外の領域にも積極的に挑戦していこうと考えています。

ネットプロテクションズ
成長のポイント


●誰も気づいていない潜在的ニーズを掘り起こす
●他社に先行してユーザーデータと運営ノウハウを蓄積する
●独立心旺盛な人材の採用により柔軟かつ迅速に課題解決できる組織をつくる


株式会社ネットプロテクションズ代表取締役社長(CEO)
柴田紳氏


Profile
1975年生まれ。1998年に一橋大学卒業後、
日商岩井株式会社(現・双日株式会社)に入社。
その後、IT系投資会社であるITX株式会社に転職。
すぐに株式会社ネットプロテクションズの買収に携わり、2001年より出向。2004年に代表取締役に就任。
BtoC向け後払い決済サービス「NP後払い」を創り上げ、黒字化に成功。
EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2017ジャパンにおいて特別賞受賞。
2017年度ポーター賞受賞。


COMPANY PROFILE
株式会社ネットプロテクションズ

住所 東京都中央区銀座1-10-6銀座ファーストビル4F
設立 2000年
TEL 03-5159-7881
資本金 3億8500万円
売上高 88億円(2016年度)
従業員数 201名(2017年4月1日現在)

https://corp.netprotections.com
 

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