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製造 × 後継者による事業革新 経営者塾の受講者が語る
当たり前のことを当たり前にできる人材を育てる

株式会社ハイテクス

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業績は過去最高でも人事採用が大きな課題

当社は今年創業42年を迎えました。機械の設計を行う会社です。創業したのは父親で、私が35歳の時に社長を継ぎました。建設機械、プレス機械、工作機械、半導体設備機械、医療設備機械、搬送機械など、さまざまな機械設計と技術者の派遣をしています。10月にはベトナムのダナンで現地法人を設立しました。

「きんしん経営塾」には2014年、16年と2回参加し、それ以前にも管理職セミナーや経営者セミナーに参加してきました。以前、弊社の一番の課題は人事採用で試行錯誤の連続でした。きんしん経営塾では「人材が最も重要」と再確認できました。ベトナム進出も、良い人材を確保したいという理由もあるのです。

私が入社して間もない2003年頃の社員は約60人で、年間10人採用しても、10人が退社してしまう状態。未経験採用で技術者を育てているので、この状態では生産性がありません。売上は05年に過去最高を記録する程だったので、社員が減ると、残った人が過度な残業を強いられ、疲弊して辞めるという悪循環に陥っていました。

そこで経営セミナーで学び、人事ビジョンを打ち立て、2005年に「チャレンジシート(目標管理制度)」を導入しました。一人一人の社員が、1年後になりたい自分をイメージして記入し、上司はそれを見て指導するようにしました。また、売上目標は、労働分配率を70%として人件費を元に算出し、上司がそれを達成するための年間計画を考えるようにしました。

しかし、人事ビジョンを掲げたものの「どう評価されているのかわからない」という不満からか、定着率の低さは改善できないまま。そこで社長就任1年目の2007年、社員に要望書を出してもらいました。「給料が安い」「家族手当がほしい」「有給休暇が取りづらい」「休憩室は分煙を」「決算書の公開」などの要望に対し、できることに対しては、すぐに改善しました。

リーマンショックで会社経営を見つめ直す

その後の09年、リーマンショックの影響で1カ月間休業し、1年間を社員教育に充てました。休業中は6割の職務手当を出せ、会社も色々な意味で、あるべき姿に立ち戻れました。バブル崩壊までは、弊社の売上は取引先1社分が8割を占めましたが、1社に依存することは危険だと分かり、売上を1社で2割以下に分散しました。

リーマンショック以降は受注が大幅に減ったことから、自動車製造業に偏っていた取引先を、医療関係や公共事業など、多くの業界に分散を目指しています。社員と向き合う機会を設けるため、年1回社長面談をするようにしました。

よく、「社員や部下のモチベーションがない」と悩む経営者や管理職が多いと思います。しかし「社員は毎日遅刻せずに会社に来ているわけですから、モチベーションがないのではなく、動機付けができない上の人間が悪い」とある人に言われ、ハッとしました。

社長面談は、昇給時期に労働条件を文章と口頭で伝えていますが、希望者のみにしています。毎年、社長面談を希望する人も異なり、去年受けた人が今年は受けないということもあります。面談を希望した人だけでなく、それ以外の人の動向を見るのも大事だと思っています。

賞与は現金で手渡ししています。社員が自分の給料を会社から口座振り込みでもらい、後で奥さんにお小遣いをもらうという構図とでは、社員のモチベーションも確実に違ってきます。社内教育も月1回設計教育を実施し、講師は自分が勤めています。始めた理由は、会社を辞めようとする社員には、自分の実力を過信した人が多いとわかったからです。入社3~4年でCADの操作を覚え、仕事を全部覚えたと錯覚してしまうのです。そこで、設計の奥深さを知ってもらうための講座を始めました。

















きんしん経営塾が「経営方針の確認の場」に

社長に就任して10年、ようやく経営者としての経営哲学や価値観が醸成されてきました。きんしん経営塾では身に着けたことを確認でき、2回受講してもその時の自分の状況によって響く言葉が異なり、経営方針を振り返る絶好の機会となりました。

現在「当たり前のことを当たり前にやろう」という社訓を掲げています。あいさつと掃除、時間を守るといったことの徹底も、きんしん経営塾で得たものです。優良会社では当たり前のことができる人が6割、超優良会社では7割と聞き、まずは自分から実践しています。

ベトナムの現地法人設立も、経営塾がきっかけで、きんしんの担当者の方に相談でき、信金中央金庫のバックアップを得て、現地調査後10カ月で営業開始できました。これから労働人口が減り、弊社のような中小企業は、国内だけでは人材確保が難しくなると予想されていますが、会社経営には「社員と向き合う」ということが肝心。経営塾で学んだことを糧に、今後も人が集まる魅力ある会社を目指し、ベトナムでの人材育成にも注力していきます。

株式会社ハイテクス
代表取締役 桶谷 善徳 氏

昭和47年生まれ、石川県出身。
東京理科大学卒業後、小松ゼノア株式会社入社。
油圧シリンダ、ギヤポンプの設計に従事。
1998年8月同社を退社、9月株式会社ハイテクス入社。
2007年代表取締役就任。






Company Profile
住所 石川県小松市大領町な4-1
TEL 0761-24-0027
設立  1978年(有限会社ヤマト技研設立、
        1996年に株式会社ハイテクスに社名変更)
資本金 1000万円
従業員 56名+6名(ベトナム)
http://hitechs-jp.com/

 

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