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製造 × イノベーションによる成長 特集【ものづくり企業の挑戦】事例3
知財の活用側・提供側の両方にプラスの効果がもたらされた

株式会社マイス

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大企業の休眠知財を活用することで活路を見出す川崎市、鋳物など地場産業・伝統産業で培った技術を活かし突破口を開く川口市など、首都圏の工業地域で新たなチャレンジに取組む中小ものづくり企業にフォーカスする

メーカーとして決定権を得た

自動車等の生産ラインにおいて、ボルトやナットを必要な個数取り出す作業は、これまでは主に手作業で行われていた。しかし、これではどうしても作業が滞る。また、ボルトの締め忘れにつながるケースもよく見受けられた。

この問題を解決したのが、株式会社マイス(川崎市高津区)が日産自動車の「自社技術のライセンス」提供を受けて開発した、小物部品定数供給装置「パーツカウンター」だ。ボルトやネジ等を必要な数だけ自動供給するこの製品は、日産のノウハウを得て開発されたものだが、マイスではさらに各種改良を加え、従来製品よりも安価で提供することに成功した。

実際、知財提供元の日産自動車だけでなく、トヨタ自動車などでも多数導入されている。この製品の開発に関わりマイス社内での意識も変化した。

「私たちはこの件で『メーカー』になりました。だから、仕様は私たちが決定することにしました」

と代表取締役社長の酒井高雄氏は語る。その結果、開発のスピードは早まり、市場への投入も速やかに行われた。


















コーディネータの重要性

マイスと日産自動車の間を取り持ったのは、アルファメディアにも関わったコーディネータの西谷氏。西谷氏がマイスの酒井社長を「川崎市知的財産交流会」へ誘ったことがきっかけだった。

マッチングを行うコーディネータは、担当する中小企業の事業内容を把握し、同時にその企業にマッチする大企業の知財の知識も有する必要がある。西谷氏の「目利き力」により、日産自動車の知財をマイスが有効活用できることになった。一方の日産自動車は、2010年から川崎市のマッチングに参加してきた。

「地域の中小企業に対するマッチングという取り組みは当時非常に新しく、地域への貢献という意味合いでポジティブにとらえ参加をさせて頂きました」(日産自動車・手賀聡氏)。

両社がライセンス契約を締結したのは2013年のことだ。


両社にもたらされた変化

日産自動車は特許のみを中小企業に提供することはない。装置製造に関する情報をそのままノウハウとして開示、使用許諾を行っている。マイスの場合も同様だ。

こうして生まれた製品は、提供元の日産自動車にも大きな影響を及ぼした。マイスが開発・販売を担当することにより、装置の生産に忙殺されることがなくなり、新たな開発に力を入れられるようになったのだ。

「メーカー」になったマイスと、開発に力を注げるようになった日産自動車。両社にとって、今回のマッチングは、単なる知財活用を超えた大きな意味を持つものとなった。










代表取締役社長 酒井高雄氏

Company data
株式会社マイス
本社 神奈川県川崎市高津区宇奈根758
設立 1991年3月25日
TEL 044-813-7530
資本金 2000万円
従業員数 3名
導入した特許
「部品定数供給装置」に関する技術
(特許出願番号特願2013-132176)
提供元:日産自動車株式会社
2013年7月契約締結

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